愛しの黒ライオン


獅子さんの手からお皿を受け取り冷蔵庫に入れると顔を下に向けたまま振り向いた。


「疲れたんだって、大丈夫か?」


獅子さんは、下に向けていた私の顎に人差し指と親指を沿え上にクイっと上げられた。


「獅子さんは、行かなくていんですか?沙耶さん待ってますよ」

「泣いていたのか?」


獅子さんから視線を逸らし何もなかったかのようにテーブルの方へ足を向ける。


「待てよ」
「イヤです」


テーブルの上のグラスを持ち流し台へ持って行こうとすると腕を引っ張られ持っていたグラスを落とした!?


咄嗟に腰を下ろし割れたグラスに触る。


「触るな」


獅子さんの声にカラダがビクっと揺れ割れたグラスの端に指が触れて・・・



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