【完】狼ご主人様と子羊ちゃん
その周りには、15人くらい女の子が集まっていて、必死に彼に話しかけている。
しかし、彼は全くもって相手にせずに、席についてしまった。
繭が苦笑しながらそちらを見やった。
「今日もスゴいわね、辻宮様争い」
「本当にね……よくやるわよ」
と瑠璃も苦笑いしながら、やっと来た料理を口に運んだ。
「ね、あれって誰なの?」
「ああ、美里は知らないっけ。あれがこの前言ってた一番権力のある男よ。辻宮秋」
「あれが……」
改めて見てみると、やっぱりかっこいい。