【完】狼ご主人様と子羊ちゃん





淡々とそう言って、なにやら財布の中身
を確認している辻宮。



え、それって……か、駆け落ち!?




「つ、辻宮……そんなのダメだよ……」



私がそう言うと、辻宮がおもいっきり私
を睨み付けた。



「お前は俺が辻宮家にいなきゃ嫌なのか
!?俺が金持ちだから付き合ってたのか
よ!」


「なに言って……」


「俺は辻宮とは縁を切ったっていいと思
ってる。だけどお前はそうじゃねーの?
お前は……」


「落ち着きなさい!」



少し大きめの声でそう言うと、辻宮がハ
ッとしたように目を見開いて。



それから、悔しそうに顔を歪めて、私の
肩に額を乗せた。



「……じゃあ、どうすりゃいいんだよ。
お前と離れたくない……ずっと傍にいて
欲しいんだよ……」





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