香水
「ごめんごめん。そんなに拗ねるなよ」
私の頬を突きながら彼はそう謝ってくる。
「・・・・・・・・・顔が笑ってる」
「いやぁ~本当可愛いな、お前」
彼は満面の笑みでそう言うと繋いでいた私の手を更に強く握り、今歩いてきた
道を戻ろうとしている。
「ど、どうしたの?」
「今日の予定はキャンセル」
「え?!」
「俺のお姫様の悩み事を解消しましょう」
彼はそう言うと駅前にあるデパートの香水コーナーへ私を連れて行った。