奴隷戦士
「降りろ」


たくさん話をしていたはずなのに、いつの間にか、眠っていたようだった。


ガタゴトと音を立てながら動いていた檻は、静かになっていた。


外を見ると、太陽が山と山の間から顔をのぞかせていた。


次々と降りていく子どもたちを見ながら、まだ寝ているジルとクルトを起こす。


「また、お前か。さっさと降りろ」


男がぼくを見てため息をついた。


イラついたので、フラついた振りをして男に頭突きをした。


「ぶっ」


笑いそうなジルをクルトが蹴った。


よくあの重たい足枷があるのにできるもんだと思う。


子どもたちが入っていくところは、まるで教会のようだった。


「クルト」


ぼくが名を呼ぶと彼は頷いた。


「ワケアリ、だな」
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