日々

雅紀
「新刊出てるかな〜…」



これは俺が1人で本屋に行き、



「すみません、あの、
あなたは高校生ですか?」


雅紀
「え、あ、はい。そうですけど…?」


「あ、よかった。すみませんが、
御尋ねしたいことがあるんです」


見知らぬ女性に話しかけられた時のことだ。
俺は尋ねられた。


「“want to”の意味を教えて欲しいんです」



―――…英語について。



雅紀
「“want to”、ですか?えっと多分、
“〜が欲しい”みたいな意味だと思います」


「ちょっ、ちょっと待ってくださいねっ!!」



すると女性はメモを取り出して
意味を書きだした。
メモにはびっしりと英語と、
その意味が書かれている。



「失礼ついでにもう1つだけ、いいですか?」


雅紀
「あ、はい」


「“If want to why?”の意味を
教えてほしいんです」


雅紀
「あー…、っと」



(あ、ヤバ。単語じゃないのか)



「自分なりに調べてみたんですけど、
分からなくて…」



そう言いながら、本屋の英和辞書を片手に
苦笑いを浮かべる女性。



雅紀
「(一応、ひいてみたんだ…)」



見本であるだろう、
開封されたその辞書を見て、
俺はそう納得する。

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