日々

――――――
――――…

俺はただいま近所の祭りに来ている。


慶兎と睦月を連れて。
所謂保護者だ。


2人は着いた途端駆け出して行ったが、
待ち合わせはしたし、大丈夫だろう。


だがそのせいで祭り終了まで、
お1人様で祭り会場をまわるハメに。



「…それにしても、久しぶりだな〜」



小学生だった頃は
この祭りに毎年訪れていた。


でも中学校に入る前に引っ越した俺は
その間全く来ていない。


だから四年ぶりになる、のか?


……ってもう四年かよ。



そう言えば昔は大きく感じていたこの祭りは
案外規模の小さいものだったらしい。



「目線が違うと、こんなにも違うんだな」



買ったかき氷を食べながら、
そんなことを考えていた。



「あれ?雅紀…?」



イチゴうめぇ。と甘さに浸っていると
背後から声が掛かる。



知らない少し低い声。
でも何故か、とても懐かしくて。



「え?」



振り向くと



「――、大輝?」



面影を残した古い友人が、
そこに立っていた。



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