高校生恋愛*~初めての気持ち~
私は、正樹の話しを聞き、その話が本当である事を願いながら、信じながら、翼の元へ走った。


もう、日は完全に落ちて真っ暗だ。お母さんはきっとカンカンに怒っているだろう。でも、まあいい。お母さんには悪いけど、今、言わないと駄目な気がするんだ。



「つばさぁァァァァあああ!!!!!」



喉がかすかすに枯れて、上手く声が出せない。



駄目だ。これじゃあ、翼と会っても話できない。



あと、少しなのに。あと少しで翼に会えるのに。なんで私は…。



「つ…ばさぁー。」


そういいながら私は、走っていた。


と、その時。




「おいおい、姉ちゃん。こんな夜中に一人?」



かすれた、低い声。


耳元でささやく吐息



「っちょ!!やめっ……」



私は、必死に抵抗した。…が、私は両腕を誰かにつかまれたまま、誰かに体を引き寄せられた。



気持ち悪い




「姉ちゃん、おじさん達と遊ぼうよー」


「優しく…してあげるから」


これは、一人じゃない。二人?いや、足音がすごく聞こえてくる。三人?



いや、もっといるのかも。



「いやです。やめて」


< 190 / 201 >

この作品をシェア

pagetop