鮮烈な赤に酔う







にしても突破口があまりない。

ここは3階だ。

窓からは出られないし、玄関もこれだし、

何より鍵が閉められないのは却下。

私の素敵なお部屋を荒らす奴がいるかもしれない。

ただし、いたら殲滅☆



「しょうがない……あれしかない」

「何言ってんだお前」


ぶつぶつとつぶやいたのが聞こえたらしい。

いかついお兄さんAが、こちらをさらに覗き込んだ。

その瞬間を待っていました!


「でえええぇぇぇいっ! 葉月ちゃんのスーパーミラクルアタックゥゥゥゥ!」


と、ドアが外れるぐらいの勢いで

自室の扉を開け、

ドアの前に立っていたいかついお兄さんAを吹き飛ばした。


「続きまして葉月ちゃんのスーパーミラクルボディーブロオオオオォォォォ!」


そして突然のことに驚いていたお兄さんBも倒し、


「ラストは葉月ちゃんのスーパーミラクルアッパアアアアァァァ!」


と、お兄さんCに強烈な右アッパーをかまし、

しっかりとドアに鍵をかけ、

夜の街へ逃走した。





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