『僕』が交した約束



川下からの言葉を聞いて、

刹那の怒りが分ってきた



そこまで男に近づかれるのが怖いのに

ピアノを守るため、

俺に近づいてきた



「・・・川下、刹那にごめんって

 言ってくれないか?」



「・・・私は伝書鳩じゃないっての」



そう言いながら、

川下は刹那に俺の言葉を

囁いた



刹那は、

小さく驚いた後

また紙に何かを書き始めた



「侑斗、

 私も悪かったです。

 だってさ・・・」



「そっか・・・

 じゃあ俺は自分の部屋に帰るわ」



「え?」



「男、刹那は無理なんだろ?

 だから帰る。じゃあな」



車いすを押しながら

講堂を出る



すると

川下が急いで追いかけてきた

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