『僕』が交した約束

夢があるから

☆刹那side



私には、夢がある

声を取り戻して、ピアノの音とともに

いろんな人に聞かせたい



その夢は、誰にも言ってない秘密



今日私は・・・

その秘密を人に言おうと思います



相手は、美弥



あと1か月しか生きられないから

ちょっとでも、私のことを

知っておいてほしいから



看護師さんに頼んで

美弥を呼んでもらった



「どしたの?」



美弥が笑顔で聞いてくる

私の考えてることが

なぜかわかってしまう美弥は

聞いておきながら小さく頷いた



「・・・それ、本当なんだよね」



それ、

が意味しているものは

私にもすぐにわかった



私は小さく頷く

自分がもう少しで死ぬとしても

少しも涙は出なかった



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