恋路


「やっぱり無理だよ~…練習はやっぱり厳しそうだしさ。」



……うぅ。
それは言えてる。

私にできるのかなぁ?
私、運動神経……中の下だよ?



互いに困惑し、不安に満ちた顔つきでバスケ部の練習を見ていた。




「あ!明日美!純子!!」
「あっちゃん!」
「孝志!!」



佐藤 孝志(サトウ アツシ)。
幼馴染でご近所さん。
昔からあっちゃんって呼んでる。
ずっと仲良しなんだ♪親同士も仲良いしね。



そういえば、あっちゃんバスケにはまってたんだった。



「なんだ、2人共バスケやるんだ?」
「いや……これは一応見学かな?」
「…孝志、バスケやるんだ?」
「おぅ!バスケっていーぞ!練習キツイけどさ。シュート決まった時とか超気持ちいいんだ。それによ。ここの中学のバスケ部、先輩が超いい人なんだよ!!強ぇし、ほんと憧れるっつーかさ。」
「そういえば、あっちゃん、この間の夜も練習してたよね?」
「えっ?!おまえ見てたのかよ?!」
「たまたまね?」
「見んなよ!!…照れんじゃんか。」
「ごめんごめん。でもかっこよかったって!」
「だろだろ?」

「……あ、あ、あっ!!」

「どしたの?純ちゃん?」
「…私もバスケやる!!」
「そっかぁ。…て。えっ?!純ちゃん、本気?!」
「おっ!さすが純子!明日美もやれよ!!なんか分かんない事あったら教えてやるしさ。」

「うっ……。純ちゃん本気で本気なの?」
「うん!……だってさ。孝志があんな事言うんだよ?やらなきゃ!」


もぅ。純ちゃん、本当に単純なんだから・・。



小6の時、3人とも同じクラスになってから純ちゃんはあっちゃんに片思い中。
色々と協力してあげてるんだけど…
純ちゃんったら、あっちゃんの前になると急に固まっちゃって。気づいたら私とあっちゃんで喋ってたり。





……はぁ。
ほんと、そろそろ本気で頑張ってよね?





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