野良猫 lovesong 1
目が覚めて…
夢を見た。


父があたしを殴り続ける夢。


痛かった。
身体も痛いけど…胸が。


苦しかった。



『やめて……お願い、やめて…。』

叫ぶなんてできない。
ひたすら″やめて″と
呟くように言う。

そんなあたしを見下ろす父は
ニヤニヤ笑っていて…………。
反吐がでる……。


でも、こんなのでも父。
世界でたった1人の父親。

そう思うと、父を憎みきれなかった。
だからひたすら我慢した。

自分が死のうと思っても
父を殺そうと
思ったことはなかった。


「お前は優しい子だな…?」

父がイヤらしく言ったところで……
あたしは目が覚めた。

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