君のいる世界




目をゆっくり開けると、電気の白い光が真っ先に飛び込んできて思わず瞼を少し伏せた。


肘で支えながら上半身を起こすと、康君がベッドの端で浅く腰を掛け俯いていた。




まだ身体に康君の指先や唇の感触が鮮明に残ってる。


ドクンドクンと重くて鈍い心臓の音が頭の中に響く。




「…こ…こぅ…君…?」



「会長って…そのキスマーク、付けたやつか…?」



「え…」



私は咄嗟にキスマークの付いた首筋に手を当てた。


会長って…どうして…




「無意識…か」



そう言って苦笑いを浮かべた康君は、立ち上がってスーツの上着を脱ぎ私の方へ一歩足を踏み出した。


康君の影が私に被さる。




…怖い…!!


思わず目を瞑って、身体を強張らせた。





パサッ。


突然、肩に柔らかい布のようなものが掛かり目を開けた。





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