君のいる世界
だけど7年前の誘拐事件をきっかけに、俺は自分の使命に気付いたんだ。
「あの頃は大切な妹だと思ってたのに…こんな気持ちになるなんてな…」
「え?」
「いや…まぁ、そういう事だから送り迎えをなくす事は出来ない。今後何かされたら絶対に俺に言えよ。俺が解決するから」
俺はわざと不敵な笑みを浮かべた。
予想通り麗奈は一瞬顔を引きつらせ、それ以上何も突っ込んで来なかった。
ここまで言えばもう一人で通学するなんて言えないだろう。
それと…
「あともう一つ。男とあんま二人きりになるなよ?」
麗奈は男がどんな生き物かまだわかっていない。
うなじにキスマークを付けられるなんて危機管理がなってなさすぎる。
これは教え込まないといけないな。
「男は狼だから」
またそんなキョトンとした顔して…
そんなだとあっという間に餌にされるぞ。
「…ったく、無自覚過ぎんだろ。これだから安心出来ないんだ…」
俺は麗奈をベッドに押し倒し、覆い被さるように跨った。