君のいる世界
「気持ちが落ち着いたら、話聞いてくれる?」
「もちろん!」
佳菜子は眩しい笑顔を浮かべ、大きく頷いた。
もし私が男だったら絶対に佳菜子に惚れてる。
そう思えるぐらい、同性の私から見ても佳菜子は魅力的な女性だと思う。
「それにしても、名前で呼び合うのってなんか照れるね」
「うん…今まで友達なんていたことないし。友達と名前で呼び合うの、実は夢だったんだ。だからなんか、照れるけど嬉しい…」
私達は昨日から自然と名前で呼び合うようになった。
それだけで二人の友情が厚くなった感じがするから不思議。
「昨日の一件で麗奈ともっと仲良くなれたし、あの噂に少しは感謝…かな」
「はは。そうだね!」
あの噂がなかったら佳菜子とここまでぐっと仲良くなることもなかったかもしれない。
だから佳菜子の言う通り、不本意だけど少しだけ感謝…かな。
それから私達は、他愛も無い話をしながら学園に向かった。