君のいる世界




「俺も何度も連れてきてもらった。夏は海水浴客がいっぱいで迷子になったり、トウモロコシ食ったり」



きっと今、会長には浜辺で遊ぶお父さんと家族の姿が見えているんだと思う。


思い出を話す会長が凄く楽しそうで、私まで幸せな気分になれた。




「やべ。もう時間だ」



会長の携帯の待ち受け画面に表示された時間は閉園時間5分前を指していた。




「そろそろ帰ろーーー・・・「「麗奈?」」




聞き覚えのある低い掠れた声で名前を呼ばれ振り返ると、花束と桶を持ったスーツ姿の父親が石段から登ってくるところだった。




「お父さん…」



「お前、どうしてここに?……っ!…君は…」




会長を見た父親は目を見開き、はっと息を呑んだ。


そして声を絞り出すように口を開く。




「…大輝君…だね…?」




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