君のいる世界
「…仲直りっていうか…」
私はゆっくりと、時折言葉を詰まらせながらこの数日で起きた事を話した。
康君との事も、昨日会長と思い出の街に行った事も、父親との事も…
佳菜子は整理されていない話を真剣に、だけど安心するような優しい声で頷きながら聞いてくれた。
「そっか…辛かったね…」
そう言って私の背中を撫でてくれる。
「麗奈は柳田さんとどうなりたいの?」
康君は私にとって本当に大切な人。
だけどそれは愛情でも友情でもない。
専属執事であり、幼馴染であり、お兄ちゃんのような存在。
これからも、その関係が続けばいいと思う。
だけど…
「康君はもういつもの康君に戻ってる。私は…今はいつも通りに笑うなんて、正直自信ない…」
康君を見るたび、この人は私の事を好きなんだって変に意識してしまう。
気持ちに応えられないのに、自分を想ってくれている人に笑顔を向けるなんていいのかな…
頼ってしまってもいいのかな…?