君のいる世界
「ちょっと待って下さい!!私はまだ高校二年ですよ?お見合いだなんて…いくらなんでも早過ぎます!それに…「「それに?何です?」」
祖母は静かに私の言葉を遮った。
その表情はさっきまでとは打って変わって真顔で背後に黒いオーラが見えそうだった。
私は思わず息を呑み、身体を強張らせる。
「私の時代はあなたの歳は結婚適齢期でしたよ。まぁ、今の時代の色もあるでしょうから今すぐ結婚とは言いません。高校を卒業してから、と先方も仰って下さってますし」
「…でも」
「いつかこうなることはあなたもわかっていたでしょう。我が谷本家の令嬢として生まれた時から。このお見合いは谷本財閥が大きく飛躍する言わばチャンスです」
私は膝の上でギュッと拳を握り締める。
父親はさっきから何も言わない。
ずっと険しい顔をして机の上辺りを見つめている。
やっぱり、この人は私の事なんて何も考えてくれてない。
三ヶ月前、ほんの少しだけ見直したけどそれは間違いだった。