君のいる世界

愛してる





ザザァーッ。


穏やかな波の音が海岸に響き渡る。


海面は太陽の陽射しでダイヤモンドのようにキラキラと輝き、言葉を失ってしまうほど綺麗でつい魅入ってしまった。





「そろそろ行くぞ」



「うん!」



大輝が私に差し出してきた手を、私は指を絡ませるようにして握る。


こうして手を繋ぐのも大分慣れてきた。


恥ずかしくて顔を赤く染めていた付き合い当初が今では少し懐かしい。




だけど、大輝のちょっとした仕草やさりげない優しさにいつもドキドキさせられる。




ほら、今も…


大輝は必ず私を道路の端に寄せて、自分は車道側を歩いてくれるんだ。


他にも、たまに「ん?」って返事をする時の優しい声と表情とか。


意外とヤキモチ妬きな所とか。




日を追うごとに“好き”が増していく。





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