君のいる世界

半分持つから…





冬休みが明けた。


今日からまた憂鬱な新学期が始まる。




鉛のように重い制服に袖を通し、ボサボサの髪を適当に結ぶ。


この前のクリスマスまでは、毎日綺麗に髪の毛を結んだりアイロンを掛けたりしていたけど、最近はそんな気になれない。


どうせ身なりを整えたって、この状況がよくなるわけでもないし…


正直全てが面倒臭い。




学園に行くことも、

化粧をして髪の毛を結ぶのも、

食べ物を飲み込むことも、

朝目覚めることも。



気分は大輝や佳菜子と知り合う前よりも酷かった。





学園に到着すると、私の周りにはすぐに人集りが出来た。


パーティーやディナーの誘いとか、うちの会社を宜しくとか、どうでもいいことばかり聞こえてくる。


得意の当たり障りのない対応すら億劫で、ため息しか出ない。





< 417 / 497 >

この作品をシェア

pagetop