君のいる世界

大切な親友





五限目が始まって30分が経った。


空にはまだ濃い灰色の雲が浮かんでいて室内は電気を付けないと少し暗い。




会長は私に背中を向け、扉の近くにある電気のボタンを押した。


パチッという快音とほぼ同時にシャンデリアから白い光が放たれる。



「そういえばさっき一緒にいたやつ」



会長がふと思い出したかのように口を開いた。



「山下さん?」



「ああ。お前、誰も信じれないって言ってたけど、山下は信じてもいいんじゃね?」



会長はソファに横たわり、淡々と言葉を続ける。




その話を聞き、居ても立っても居られなくなった私は生徒会室を飛び出した。


特別棟の最上階にある生徒会室を出て階段を駆け降り、人気のない渡り廊下を全速力で渡る。


授業中だというのに、そんなの気にも止めず目的の場所へ急いだ。


廊下には音楽室から奏でられている楽器の音が響き、その綺麗な音色を私の慌ただしい足音が掻き消した。



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