† of Ogre~鬼の心理

第十六節

† 第十六節



まず頭に浮かんだのは、アルになんと謝ろうかという気まずさだった。

アルは穏やかな顔と性格をしてるくせに、自分のなにかを凌辱されるとまさに鬼のように怒るのだ。

それが常の笑顔のままなのだから、タチが悪い。怒るなら眉間にしわを寄せろと思う。

そんな陰鬱さを思うと、ああやはり、気まずい。

ヤツを退けることはできたが、買ったものはすべて捧げてしまったし、買い直す金もない。

生憎ながら錬金術は専門にないのだ。

(あーちくしょう。賢者の石でもあればな)

と思いはしたが、アレを管理している頑固ジジイの孫が譲ってくれる可能性もなければ、わざわざジジイのもとまで行っている暇もない。

偏屈ジジイの家はただでさえ面倒な場所にある。はなはだ、いろんな面で面倒くさい。

それに、今の状態じゃこちらも満足に動けやしない。集中力が持たない。
< 105 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop