† of Ogre~鬼の心理
行動というものは、時間の流れに乗って初めて成功する。

止まった時の中では、存在の変化は認められず、生命活動はおろか動くことなどできない。しかし、自分の存在時間は停止させたまま動けるのが、思念体だ。

まったく不可思議な矛盾を抱えながら、1以下、0以上の存在を保ち続け、そればかりか生きても死んでもいない思念体は、なかなかの神秘だよ。

幽霊や魂魄でさえ時の中では磨耗されるというのに、それすらもない。

生きてはいないのに、なにかの理由や目的、あるいはなにかの記録のために、いる。

もしそいつがいなくなる時は、死とは違う。完全な0への、唯一の存在の変化だ。

つまり、思念体はすばらしくみすぼらしい、人間の残り滓によるモノで、生きているとかどうとか、そんなことはまったくもって無駄な追求に過ぎないんだが……

俺の言っていること、わかるか?」
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