† of Ogre~鬼の心理
ぼさぼさの髪をさらに乱しながら、抗議してくる。

「お前なぁっ、今ここに買い出しの成果があるってことは、逆に俺はいねぇってことになるんだぞ! なんだその冷徹な反応は! せめて無言でいるのが人並みの優しさってもんだろ!」

「あらっ、私に『人並みの優しさ』を求めるというのね?」

もっともらしいことを言い過ぎたか、仁がわずかに仰け反り、

「っ、この、ああ言えばこう言うヤツだな! そもそもお前が」

「はいストップ~」

アルが仲介に入った。

私と彼女との間に入り、ひらひらと手を振って妥協案を提示してくる。

「まあ今日は、仕方ないからレストランでも行こうよ。君達にまっとうな人間生活を送らせることが、僕の務めだろ? それくらいの甲斐性と貯金は軽くあるよ」

それからものの五秒で、三人で近所のファミレスへ行くことに決定した。

私とアルは、正直なところ一食や二食抜いたところで痛くはない。

が、仁はもとから人間だ。

彼女は自分で昼食を作らないため、必然的に、朝と夜の二食だけになる。

そんな生活で夜まで抜くのは、仁の体に悪いというものだった。
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