† of Ogre~鬼の心理
そう叩くように言ってやったら初めて、彼の笑顔が崩れた。

「わかるよ」

泣いているような、怒っているような、ひどく灰色じみた表情。

「僕にはわかるよ……真輝、君が――」

信号が、青になった。

私は横断歩道へ一歩踏み出し、彼の言葉を踏み潰した。

いいえ。お前にはわからないわ。

絶対に。絶対に。

と、否定で練り固めた、ことばで。

そこで――
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