† of Ogre~鬼の心理

独節

♪ 独節



しゃらんしゃらん。



遠目からでも、わかる。早朝から密集する警察のお陰で、新聞やニュースで騒がれている公園はすぐに特定できた。

あれでは物好きな野次馬に、どうぞたかりに来てくださいと言っている、目印のようなものだ。進入禁止のテープが、ひどくいたたまれない。



しゃらんしゃらん。



無理に人垣を分け入ってみれば、もともと遺体のあった場所には白いチョークが引かれ、そこから数メートル離れたところに、ブルーシートの膨らみがあった。

遺体はその中だろう。



しゃらんしゃらん。



かわいそうに――とは思うまい。

人は生まれた瞬間から、いつか訪れる死に向かってその命を磨耗していくよう、運命付けられている。

あの遺体の人生は、頭を潰され、首を折られ、あそこで尽きてしまった。

ただ、それだけの事実だ。
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