† of Ogre~鬼の心理
結局、あの藤岡は私と語らうために機能していたんじゃない。私の、この一年間の空虚を満たすために出現したわけでもない。

彼は運命づけていた。彼は予期していた。私が、自分では制御することのできない力に、灼熱の炎に巻かれてしまうのを。

だから思念体が残された。私の器を、存在そのものを贄にして強めるために、彼は彼を残したんだ。

もう一度、空を見上げる。彼方には、薄い筋雲が漂っていた。

ああそういえば、藤岡はこうしてどこか遠くを、焦点の不明瞭な目で見ていることが多かった。

もしかすると彼は、ほかにも自分を残しているかもしれない。

ふとした瞬間に予期して、運命づけて、私の鞘となるものを残しているかもしれない。

だとしたら――私の開花を、彼はこれからもきっといの一番に感知し、機能するのだろう。

「ふふ」

と、失笑なのか苦笑なのか、それとも本当に嬉しくてなのか、笑いが漏れた。

アルに変な顔をされる。

私は軽く手を払って彼の表情を消させ、言ってやった。

「さあ、もう帰りましょ。解決したのよ。みんなね」

とても、鮮やかとは言いがたいことだらけだったが――それは、事実なのだ。





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