† of Ogre~鬼の心理
しゃらんしゃらん。

(いや、それはない)

――今、ぶち当たった気配がある。

こちらへ探りを入れている者の、気配。

しかもおもしろいことに、警察関係者のようだ。

どうやら先に向こうが気付き、こちらの動向を監視していたらしい。



しゃらんしゃらん。



私は片手をスッと、斜め上へ振るった。

小さな手応えがし、秒を待つと、それが落ちてくる。

私の放った『刃』を胴に受け、今まさにその呼気を引き取ろうとしているコウモリが、アスファルトの上で痙攣する。

私は、冷笑と共に言った。

「そう焦って迎えに来てくれなくとも、じきに会えますでしょ? ね」
< 51 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop