† of Ｏgre～鬼の心理

（ああ、うん、どうしようか）

考えていると、内村が紙の束を片手に戻ってきた。

僕のとなりの彼は、椅子の背凭れを軋ませると言った。

「驚きましたよ、アルさん」

「なにに？」

「検死からの報告に追加があるんですがね、体内はとんでもない高温で、しかも一瞬で炭化されたみたいです。

出力的にはガスバーナーも比じゃないとかなんとか、推測できるっぽいですよ」

「推測ねぇ」

そんな高出力の火炎を生み出せる存在となると、結構限られてくるもんだ。

仁のほうが詳しそうだけど、東洋考えずに精霊ならカグツチか、サラマンダーか。

……いや、だけどそんな召喚系の連中が、どういう目的で真輝ちゃんに関わる？

『目的』を考えたら、そんな超自然的な彼らに容疑をかけるのはお門違いだ。

仮に彼らが死体に焼き印を入れた犯人だとしたら、そいつらに命令を下した何者かがいるはず。

なら、その何者かが真輝ちゃんを見ていたヤツなのだろうけど……