† of Ogre~鬼の心理

第十四節

† 第十四節



空気を震わせる轟音に顔を跳ねあげさせれば、空を赫灼の華が彩っていた。

「うわ、なんだあれ。見てよ東城さん、なんかすごいよ」

「そうね」

感慨も薄くうなずく。

同時に探りを入れてみると、街中のいたるところに仁の気配を感じた。

一番強い気配は、今空に咲いた紅蓮のそばから、緩い放物線を描いて落下していた。

吹き飛ばされたんだろう。

(なんだって、こんな街中で)

あんな魔法を使えば、アルの言っていたヤツに居場所が知れて――

はたと気付く。

(そうか。そいつと遭遇したから、使ったのね)

必要性のない逃げられる戦いなら、迷わずに相手へ背を向ける。

逃亡に全力を注ぐ。

      ルール
それが私達の生活だ。

その生活を一時でも破ったということは、

(戦う必要性があったか、戦うことを余儀なくさせられる相手というわけか)

空の爆炎にざわめく周囲に、風間も変わりはない。

あの炎なら、バス一台程度は粉々に吹き飛ばせるというのに……

遠目に見えているだけとはいえ、その怖さを知らない現代日本の、なんと平和なことか。
< 93 / 414 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop