雨降って、血固まる。
「ありがとう…」



私がそう言うと、男は頭からバスタオルをどかし、私を見た。



初めて目が合った瞬間、自分がこの男に惹かれた理由がわかった気がした。



男の瞳は蒼かった。



髪は銀色だった。



頭の中で張り詰めていた糸が、音を立てて千切れるのがハッキリとわかった…
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