完:嘘つきは恋の始まり
「はーほんと世話がやけるよな。」
「んね。でも、何だかんだ言って、旬くんが1番心配してたよね?」
「……そんな事ないと思うけど?」
「だって、今日2人を会わせるって言い出したのも旬くんだもん。」
「あれは……カズがうじうじしてて、見てて嫌だっただけ。」
「それに家に呼んだのも、うまくいってるか心配だったからでしょ……?」
「別に……うん。綾が心配そうにしてたから。」
「良かったね!2人が仲直りして。」
「だから………俺は別に。」
「うん。」
笑顔で頷く綾。
俺やっぱ、綾には勝てねーや。
今回こんなにカズのことに首突っ込んだのは、すごい心配してる綾がいたから。
だから俺も、いろいろしたんだ。
たぶん綾は、俺がこんなにも夢中になってるなんて知らないんだろーな。
言うつもりもないけどさ。
でも、あの2人が仲直りしてくれてよかった。
もちろん心配だったからだけど。
それより何より、隣で咲く笑顔が嬉しい。
「綾。……俺らもどっか行く?」
「うん!」
カズに何か奢ってもらおうと思ってたけど。
この笑顔だけで、十分だ。
カズと木下に感謝だな。
〜2008.10.30