† of Pupil~瞳の魔力
それなのに、
「行ってたの、どこへ?」
姉さんの眼差しは、まるで闇に光る彼岸花のように、鮮烈だった。
「どうしてしなかったの、連絡」
倒置法で話すから余計に質問の内容が強調されて、特別なことを聞かれている気がする。
ともすれば、まさか、僕がどこでなにをしてきたのか見知っていながら、あえて質問しているようにも。
僕はできるだけ平然と、ただ事実だけを答えた。
「ちょっと友達の家に寄ってきただけだよ。連絡しなかったのは、こんなに遅くなるって思わなかったんだ」
「なんで?」
「なんで、って……」
そんなド直球な追求をされるなんて、思わなかった。
姉さんが、
「行ってたの、どこへ?」
質問を繰り返しながら一歩、
「やってたの、なにを?」
玄関で立ち尽くす僕へ、
「会ってたの、だれと?」
じっくりと近寄り、
「答えて、賢一」
「……」
肩を、掴んできた。
「行ってたの、どこへ?」
姉さんの眼差しは、まるで闇に光る彼岸花のように、鮮烈だった。
「どうしてしなかったの、連絡」
倒置法で話すから余計に質問の内容が強調されて、特別なことを聞かれている気がする。
ともすれば、まさか、僕がどこでなにをしてきたのか見知っていながら、あえて質問しているようにも。
僕はできるだけ平然と、ただ事実だけを答えた。
「ちょっと友達の家に寄ってきただけだよ。連絡しなかったのは、こんなに遅くなるって思わなかったんだ」
「なんで?」
「なんで、って……」
そんなド直球な追求をされるなんて、思わなかった。
姉さんが、
「行ってたの、どこへ?」
質問を繰り返しながら一歩、
「やってたの、なにを?」
玄関で立ち尽くす僕へ、
「会ってたの、だれと?」
じっくりと近寄り、
「答えて、賢一」
「……」
肩を、掴んできた。