【短編】佐藤君は無口
「佐藤君、手伝うよ」
見た目的に結構量があって時間がかかりそうだったので、私はそう声を掛けた。
しかし、佐藤君は少し眉間にシワを寄せて静かに首を横に振る。
「でも、ほら、消しゴム貸してくれたお礼だよ」
「…………」
「えーと……これは私が手伝いたいだけだから、お願い!」
「…………」
手を合わせ、頭を深々下げてお願いすると、佐藤君はやっと首を縦に振ってくれた。
なんか渋々っぽいけど……まぁ、いいか。
手伝うことは悪いことではないだろう。