『武士ドルが斬る!?』〈前編〉

謎の逃亡劇~その9~(失われた文箱)



 「…さま…。
 …様…。
 ねえ様…。」


 私を呼ぶ声が近くなり…ゆっくりとまぶたを開いた。


 ぼやけた視界の中に…夢で見た濃姫のシルエットが飛び込みやがて…時間が立つとともにはっきりと輪郭を帯びてきた。


 「あ…れ…?
 濃姫…?」



 はっきりした輪郭が形どり私の顔を心配そうに覗く濃姫に気づいた。



 「良かった…。」



 濃姫は…ホッとひと安心した様子で胸をなで下ろした。


 「私…。」



 呟きながら周囲を見回し確認する。


 「…病院というところのようです。」



 「えっ…!?」



 病院と聞き飛び起きた自分の身の回りを確認した。


 確かによく見ると…私がいる場所は病院のベッドの上だ…。


 「あれ…?
 なんで…病院に?」


 頭を抱えつつ数時間前の事を思い出す。


 …え~とぉ‥(汗)
 私‥。
 …病気で‥。

 ‥殿の命令で小牧城まで輿できて‥。
 ‥拝見の技で御家来衆に正室として仕えるようにと紹介されて‥。

 ‥その後…。

 ‥濃姫から明智殿の事や殿が“暦の改定”の申し出をしようとしていたとこから‥京からの忍びの使いに命を狙われたけど‥間一髪のとこで幼なじみの肴という忍びに助けてもらって‥。

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