『武士ドルが斬る!?』〈前編〉


 「…ええ…。
 まあ…。
 予定さえあえば…大丈夫…。
 こちらからも…専属でお願いしたいと思ってたから嬉しいよ。」




 しどろもどろになりつつも嬉しそうに微笑みかけ快諾してくれた羽柴さんの言葉に…殿は頷き徳家くんのパパを再び視線を移した。




 「わかった。

 まあうちが専属で立ち上げてる所属プロダクションあるから…そこと契約書を作る段階で、条件も織り込ませて契約するからまた何かあったら遠慮なく言ってくれ…。

 濃君は…どうする…?」



 快く承諾してくれた徳家くんのパパは…ずっと無言で話を聞いていた濃君に尋ねた。




 「…私もやらせて頂きます。」



 決意を固めた真っ直ぐ汚れのない瞳で見据えた濃君は大きく頷いて答えた。




 「はあ…。

 よいお返事で良かったよ…。
 お二人とも…じゃあまた契約の事で連絡するからよろしくお願いします。」



 濃君に名刺を私つつホッとした徳家くんのパパさんは声を弾ませた。




―――――こうして…モデルとしての撮影は大成功のうちに幕を閉じ…かくて殿と濃君はアイドルユニットとしてのデビューを引き受け“武士ドル”としての芸能界進出の道のりを歩む羽目になったのでございますが‥そこには‥早くも強大な敵が待ち構えていたのでございます。


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