BRACK☆JACK~本章~


「……泣いてんのか?」

「うるさいわね」


 レンの手を振り払おうとして、逆に自分の両手を捕まれる。

 レンはそのまま、ミサトの両手をキッチンの壁にに押しつけて。


「……離してよ」


 ミサトは、レンから目をそらす。


「何があった?」


 真剣な顔で、レンは聞いた。


「……アゴーラのじいさんが、殺されたわ」


 レンの目が一瞬厳しくなる。


「実際、組織の連中はあのじいさんを狙ってたからな」

「やっぱり、組織がやったのね」

「…そうだ」

「なら、話は早いわ。エイジを迎えに行くついでに、ブッ潰してくる」

「アホか」

「アホで結構。離して」


 だが、どんなに力一杯あがいても、レンはその手を離してはくれなかった。
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