ふたり輝くとき
「出て行けって言ったら、出て行ってよね」

ユベールはそう言ってイジワルに笑った。

「もう!ユベール様、私は――っ」
「……わかってるよ。ありがとう、サラ」

チュッと、軽くキスをしたユベールはちょっと俯いて言った。ほんのりと頬が染まっているのは、サラも同じかもしれない。

「でも、僕より先に起きるの禁止。そうじゃなきゃ本物の手錠、買うよ?」

ユベールはまた笑いながら……サラの手をとった。

「そ、そんなのダメです!」

ユベールならば本当にやりかねない。慌てるサラを見て、笑いを止められない様子のユベールはやっぱり“憧れの王子様”とは違うのだ。

でも……そんなユベールがサラは好きで。

「だったら、ユベール様も私と一緒に起きてご飯を2人で作りましょう?」
「うーん……あ、そうだ。クロヴィスを引き抜こうかな。そしたら1日中寝てても大丈夫だよ?」
「もう!」

こんな風に……笑いあって。これからも、ずっと。

サラはユベールの手を強く握り返して、彼の隣に並んだ――…


I will be with you forever… *END*
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