ふたり輝くとき
簡単な朝食を用意し、2人向かい合って食べる。

サラは先ほどから何度もあくびをしていて、ユベールは眉を顰めた。キッチンで料理をしていたときからずっとなのだ。

「ねぇ、サラ。眠いの?」
「ん、少しです」

そう言って、サラはもう1度あくびをした。

これは少しとは言わないだろう。

昨夜は寝不足になるようなこともしなかったし、そもそもサラは朝に強く、ユベールの方が先に目覚めることなど今までなかった。

「やっぱり体調が悪いんじゃないの?町の診療所に行こっか?」

ユベールが問うと、サラは首を横に振った。

「大丈夫ですよ。町へは昨日行ったばかりですし、昨日は1日中歩き回ったから疲れちゃっただけです」

確かに、昨日は朝からサラとデートに出かけてその帰りに町で買い物をしたため、家に帰ってきたのが夜だった。

「でも……」
「もう、ユベール様ってば心配し過ぎです。そんなに私が眠いのが変ですか?」

サラはクスクスと笑うけれど、ユベールはいつもと違うサラに不安が拭えない。

「ふふっ、次に町に行くときまで治らなかったら診療所に行きますから。ね?」
「……わかったよ」

とりあえず本当に眠いだけのようなので、ユベールは頷いて残りの朝食を食べ進めた。
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