ふたり輝くとき

争いの始まり

薄っすらと窓から光が差し込み始める。自然の光はサラの目にとても眩しく映った。

(朝……)

昨夜、ジャンやユベールに言われたことを考えてなかなか寝付けなかったのだけれど、いつのまにか眠ってしまったようだ。少し頭が痛い。

結婚式の翌日にこんな気分の重い花嫁は、この世界に何人いるのだろう。

サラがため息をついて起き上がったのとサラの部屋の扉が開いたのはほぼ同時だった。ノックもなく入ってきた侍女2人は、いつもの侍女ではない。

「やっとお目覚めですか?私たち、こちらのお部屋を掃除しないといけませんの。早く着替えて出て行ってもらえます?」

刺々しい言葉とともに1人の侍女がドレスを持ってサラに近づいてくる。

「ぼんやりしないでください!私たちは忙しいんですから!」
「きゃっ――」

グッと髪の毛を引っ張られて乱暴に着替えさせられる。サラの寝間着が剥ぎ取られたとき、もう1人の侍女が勢い良く窓を開けた。

「――っ」

冷たい風が肌をなぞっていく。着せられたドレスも、季節に合わない……薄い布のもの。

「あの……っ」
「何か?早く食堂に行って朝食でも召し上がってください」

ドン、と背中を押されて扉の方へと押しやられてしまった。よろけて転びそうになって目をギュッと瞑ったけれど、衝撃はサラが思っていたよりも軽い。

「どうしてサラ様はこんな薄いドレスをお召しになっているのですか?」

部屋に吹き込む風と同じくらい冷たい声。それが、サラの頭上から聞こえた。ハッと顔を上げれば、クロヴィスがサラを受け止めてくれていた。
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