幼なじみをやめるまで
「いってきます」

「咲?随分早いんじゃない?千裕君はまだでしょ?」



「うん、今朝早めに行ってやらないといけないことあるから」



あれから、夕飯だとママに起こされるまでグッスリ眠ってしまった。

誰とも話す気になれなかったから、携帯の電源は切ったまま。
今朝も千裕と顔を合わせないように早めに家を出る。



「喧嘩は早めに仲直りしないと、拗れるわよ?」

「そんなんじゃないって。行ってきます」


「フフフ……」


呑気なママの声を後ろに聞きながら外へ出た。



何も解決していないどんよりした心の中とは対照的に今朝も眩しいくらい言い天気だ。



重たい体を奮い立たせ、1歩前へ歩き出した。
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