幼なじみをやめるまで
ひどく傷付いたような、怒っているような複雑な目をしながら、冷たい声で責めるような言い方をした潤。



「本気だよ。だって、私だけアホみたいに何も知らないで『友達ごっこ』してたんじゃない」



ふと目線を反らすと、私を閉じ込める潤の腕が震えてるのに気づいた。



「咲の気持ちを大切に思うから、自分の気持ちに、蓋をしようって決めてたけどやめた」


何かを吹っ切るようにフゥーと大きく深呼吸をして、その目は真っ直ぐ私の視線を捕まえる





「俺はさ、ずっと咲が好きだった。物心ついた時には女の子として好きだった。

男として見られてなくても、咲が笑っていられるならそれでいいと思ってた。だけど、もう限界………ごめん」




「…………っ!」

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