君と、世界の果てで
「おいしい……」
「そうか」
家に戻ったら、丁度昼だったので、親子丼を作ってやった。
「何でもできるんですね」
「こんなもん、誰でもできるだろ」
それにしても。
激しく似合わない。
裾が広がったチェック柄のワンピースに、親子丼。
金髪の美少女に、親子丼。
しかも、勝手に少食のイメージをつけていたが、深音は丼一杯をペロリと完食した。
「ごちそうさまでした!」
「はいよ」
「洗い物、します」
「いい。それより、今日は何か用事があったのか?
本当に暇だっただけか?」
熱い緑茶をすすっていた深音が、あっと声をあげた。
「そう、翼さんに会いたかったんです」
「はっ?」
「いつも、送ってくれるから、お礼をしたくて」
カウンター席の高い椅子からピョンと飛び降り、鞄をガサガサとあさった。
「あ、その前に……」
何やらキラキラしたシールが貼ってある、小さなケースが出てきた。