君と、世界の果てで


そう願う父親の声が聞こえてきそうだ。


母親もまた、産んだ子に病気を抱えさせて、今まで19年、どれだけ泣いたのだろう。



「……何で黙ってた?

そんな大事な事を」



できるだけ、優しく聞いた。


深音はやっと顔を上げて、俺を見た。



「……ママから聞いたかも、しれないけど……

あたしは、普通の女の子でいたかったの……」



少し、顔を赤らめ、恥ずかしそうに眉を下げる。



「最初に言ったら、エッチしてくれなかったでしょ?」


「当たり前だろ……」


「それが、イヤだったの。

あたしは、翼さんとしたかったから」



照れ隠しなのか、顔をそむけてしまいった。



「あのね……わりと、大丈夫なんだよ?

女の子は、男の人ほど、体力使わないんだ。

翼さんが一生懸命動いてくれたから、あたしは大丈夫だったの」


「なっ……恥ずかしい事言うなバカ!」


「あはは、赤くなったー」

< 323 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop