君と、世界の果てで


この世のものとは思えない、陶器のような白い肌。


痩せすぎとも思える、人形のような細長い手足。


黒いコルセットで、豊かな胸と細い腰を強調し、その上には、ダミーのパールネックレスのみ。


鎖骨と肩を露にしていた。


腰からは、黒いチュールが何枚も重なった、ミニスカートを纏っている。


そのスカートの後ろから、大きな黒いリボンが、床に付くまで垂れ下がっていた。


ミニスカートからは、ガーターベルトにつられた、黒のストッキングを履いた足がむきだしになっている。


先ほど、大きな音を鳴らした靴は、足首に幾重にも紐を巻き付けていた。



そして。


その、顔は。


大きな目は整然と並んだ、長い睫毛に縁取られて。


つんとした高い鼻がそびえたつ。


その下には、口紅が塗られた、つやつやと紅くきらめく小さな唇があった。


その顔にかかるのは、見事なブロンドに染めた髪。


前下がりのボブにしたその髪には、何も付けられていない。

< 6 / 547 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop