復讐


「ねぇ、もうやめなよ。」


突然誰かが発した。

声の主は小鹿だった。隣には花田だ。


「みくはさ、ちょっと調子に乗っちゃったんだよ。わたしに免じて許してあげて?」


上目遣いで小鹿は高田に言った。頬を紅くして高田は教室から出ていった。


「助けてもらったんだからお礼言えよ。」


花田がわたしを睨み付けてこう言ったのだ。

だけど、『ありがとう』がどうしても言えなかった。


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