迷子の殺人鬼
少女は恋に恋をする
高2のいつか。
季節は、もう忘れてしまった。

思えば、ここから私は既に堕ち始めていたのかもしれない。

初めての、彼氏が出来た。

あの頃の私は、お世辞にも可愛いとは言えなかったと思う。
今でもぽっちゃりだが、あの頃はまだ、
魅せ方等知らなかった。
化粧も、自分に似合う服も。

幼稚園生の「○○ちゃん好き~♡」
以来、男の人に好きだなんて言われた事は無かった。

言われた時は正直、嬉しいよりも疑う気持ちの方が大きかったのではないだろうか。
そんな訳はないと思ったし、私は彼が好みではなかった。

しかし不思議なもので。
好き好き言われていると、こちらも好きになる事がある。

付き合う前にデートはしたっけ?
あまり憶えてない。
多分、何度かカフェに行った程度だろう。

ひと月程、毎日の様に「好き」というメールをもらい続け。
私は落ちた。
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