迷子の殺人鬼
だけど、泣きながら起きた私の手には。
まるで今の今まで赤ちゃんを抱っこしていたかの様な。
ぷにぷにした柔らかい肌の感触が残っていた。

微笑んでいたのは、私だったんじゃないだろうか。

てっきり、妊娠したんだと思った。
その日のうちに検査薬を使ったけど、陰性だっだ。

起きてから、この結果を見るまで。
妊娠したなら今度こそ産もうと思った。

彼が望まなくても良い。
認知してくれなくたって良い。
独りで良い。

しかし、出来たと思ったから産もうと思ったのであって。
堂々と子供が欲しい!なんてやっぱり、望む事すらいけないと思う。

私は子供を産むならもう、あと数年のうちに産まなくてはきつい歳である。

そして、3度も中絶をした私の子宮が、
ちゃんと産まれて来られる様に命を育む事が出来るだろうか。

今まで要らないと言い聞かせて来たから、この先仕事をどうしていこうか等と、色んな道を考えていた。

仕事を優先したいが、この間の夢は、とても幸せそうだった。

思い切って結婚を考えるなら、今の彼とは別れなくてはならない。
彼は独身主義なので。


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