背中の男
その人は、背中がとても綺麗だった。



身体を重ねたのは2回。

たった2回だけれど、彼の声や匂い、
背中に触れた感触ははっきりと覚えてる。

あんな理想的な背中の持ち主は初めてだった。

わたしはもうきっと触れることは叶わないだろう。

しかしこれから出会う人には彼の背中の面影を探してしまうのだ。

気がかりなのは彼に会えないことより、
彼以上の背中の持ち主に出会えるかどうか。

もう二度とあんな完璧な背中には巡り会うことはないのではないか。

そんな不安がよぎる。
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